第7回 東山会イブニングサロン


東山会 庶務理事
名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻

梅原 徳次


 

201072()、名古屋大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー3階のベンチャーホールにて、第7回東山会イブニングサロンを開催しました。

 東山会の2021年度理事の西原辰朗様,2223年度理事の山本直樹様のご紹介で,講師には、三菱自動車工業株式会社開発本部EVパワートレインシステム技術部EVシステム企画の百瀬信夫 氏(昭和62年電子機械卒)をお招きし、『低炭素社会へ向けた電気自動車の役割(新世代電気自動車i-MiEVとスマートグリッドでの活用)』と題したお話を頂きました。
以下にご講演内容の一部を紹介致します。

 始めに「自動車と環境エネルギー問題」として,自動車の低炭素社会実現のための位置づけを分かり易く解説頂きました.各社燃費を改善していますが,発展途上国の進歩を考えますと既存の自動車では走行量(保有台数)の増加に燃費の増加が追いつかない状況であり,更に原油価格の高騰を考えますと,低炭素燃料による次世代エネルギー車の開発・普及が急務の課題であることを説明されました.
「新世代電気自動車i-MiEV」においては、電気自動車開発の歴史が説明され,ガソリン自動車と同時期に開発が進んでいた事,三菱自動車様でも1970年代の大気汚染やオイルショックへの対応のための開発,1990年代の地球温暖化のための開発,2000年代からの脱石油への対応のための開発と3段階で開発が加速されてきたことの説明がありました.特に,開発のステップアップのために新たな電池の開発が重要であったことを説明されました.また,電気自動車が,ガソリンハイブリッド車や燃料電池車と比較して,Well to Wheelで最もCO2排出量が少ないことが説明されました.そのような戦略に基づき,電気自動車の設計開発を電池,モータ-,充電システムの開発から行いi-MiEVとして結実した事を説明されました.
最後に,「i-MiEV技術の展開」と「スマートグリッドとEVの適用」では,自動車単体ではなく,次世代エネルギー・社会システムとしての電気自動車の役割の提案や実証事業についての説明がなされました.

 ご講演後には,屋外の駐車場にお持ちいただいたi-MiEVの試乗・説明会が行われ,夜が更けても長い間多くの参加者で賑わっておりました.

 ご講演を賜りました百瀬信夫様、お世話頂きました西原辰朗,山本直樹 両東山会理事ご参加下さった卒業生・在校生の皆様、誠に有難うございました。

 次回イブニングサロンは、以下の通り企画しております。追って詳細をご案内申し上げますので、奮ってご参加の程、宜しくお願い致します。

・開催日:20101210() 18:0020:00

・会場 :名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリ

・テーマ :最新リスクマネジメント 〜品質管理から地球環境まで〜

 講演1:「品質問題を無くす設計と設計審査」

 (株)デンソー 機能品技術2部品質リーダー 本田陽広 氏(昭和48年卒32回生)

(概要)本講では,設計起因品質問題の予防のための画期的な道具とそれによるデザイン    レビューの効果を紹介する.

 講演2:「地球温暖化問題のゆくえ」

 (財)電力中央研究所環境科学研究所主任研究員 横山隆壽 氏

(概要)持続可能な発展を保持しながら気候変化のリスクをどう軽減できるか。
    地球温暖化の対処法を考える.




講師:三菱自動車工業株式会社
開発本部
EVパワートレインシステム技術部
百瀬信夫 氏


熱心に聞き入る聴衆者

講演後のi-MiEVの試乗会      
夜が更けても興味がつきませんでした

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