会員からの便り
相川 浩一 昭和39年卒業(第23回) |
卒業後40年を過ぎて
人生の節目は人それぞれありますが、我々多くの給与生活者にとっては、日常生活が大きく変わってしまうという意味で、結婚と退職が2大節目であろうかと思います。大学卒業後40年は、我々にとっては、まさにその2番目の節目に当たる頃で、この時期以降、勤務という生活の上での大きな制約がなくなり、かなり自由に過ごすことが出来るようになります。かく言う私は、60歳少し前に半年間ほど休職しなければならない病気になったこともあって、60歳の定年を待ってすぐリタイアーし、その後の第3の人生を送っています。
会社生活の最盛期に、品質保証の国際機関規定制定に携わったことから、システムにおける人の関わり、特に技術・管理能力の確保・維持方法に興味を持ったこととドイツ圏への出張が重なったことから、ドイツの職業教育、中でもマイスター制度に関心を持つようになり、個人的にまず関連資料収集から始めましたが、勤務上の制約や収集手段の不足から思うようにいきませんでした。そこで、丁度その時期に「63歳からのパリ大学留学」なる書物に出会ったこともあって、心密かに“退職したらドイツへある程度の期間滞在して調査しよう”という“夢”を持つに至りました。ところが最初に述べたような状況で退職することになり、3週間以上の旅行はまったく無理でまさしく“夢”に終わりました。この時期の気持を表現しますと、人生に対しKarl Busseの“Über den Bergen”のような心境でした。
それでもその後気を取り直し、身体の回復のためにウオーキングと太極拳、気分転換として小学校から会社時代に至る友人との交遊、さらに大学クラブOBとしての活動、旅行、孫娘との交流などなど、出来るだけ身体を動かすような生活を心がけています。中でも楽しみにしているものは、平均して毎年1回程度の2〜3週間の海外旅行で、大抵が会社時代の出張や個人で訪れた場所を再訪するセンチメンタルジャーニーのようなものとカナダ在住の娘家族の訪問です。
これに加えて、芸術・芸能鑑賞を入れると、行動に人の倍かかることからすると、暇で時間をもてあますという言葉は出てこないような毎日を送っています。