新任の先生の挨拶
機械理工学専攻 電子機械工学分野 メカトロニクス制御講座 知能電子機械グループ 中島 明 助手 |
平成17年4月1日付けで工学研究科機械理工学専攻の助手に着任いたしました。現在、電子機械工学分野メカトロニクス制御講座(早川研究室)の一員として働かせて頂いております。まだまだ若輩の身ではありますが、何卒よろしくお願い致します。
私の専門はロボット工学であり、修士・博士課程在学時は、特に多指ハンドロボットについて研究してまいりました。一言にロボット工学と申しましても、関連した研究は非常に多岐に渡り、おおまかに、機構、センシング、制御の3つの要素技術に大別できます。ロボット研究に従事する者として、これらはいずれも外す事ができないものです。しかし、当初は、指と把握物体を一般的な剛体とみなし、2剛体が滑らずに転がり接触状態にあるときの運動解析、及びその特異な性質を利用した非線形制御を中心に研究を進めており、制御理論的側面の強いアプローチをしておりました。その後、後輩の指導にあたる機会を持つことで、研究の視点も多様性を持ってきました。機構的な観点から、指先に柔軟体を導入したり、センシングの観点から、複数のセンサ情報の統合処理について考えたりと、いつの間にやら、要素技術を全てカバーするようにテーマは広がりを持って行きました。課題は多くありますので、今後はまず、これらをより発展していきたいと考えております。
これまでの研究を振り返ってみて思うのは、一人ではここまでのテーマの広がりはあり得なかった、という事です。修士、博士課程を通してご指導して下さいました、現所属研究グループの早川義一先生、現和歌山大学の長瀬賢二先生のお力添えがあってこそだったと思います。また、博士課程時代、研究を一緒に行なった後輩達のお陰であると感じております。当時、私が指導する形ではありましたが、知識・能力共に至らず、私ができたことと言えば、一緒に悩むことぐらいだったように思います。むしろ、勉強熱心な後輩達に接することで、私の方が少なからず影響を受けました。大学のクラブ活動で指導者の立場を経験した当時も思ったことですが、「教えるという立場を通して、自分が教わるのだ」ということを、今改めて実感しております。本年度より、大学及び大学院教育を担い、より貢献と責任が求められる立場ですが、学生時代に得た所信を忘れずに研究と教育に従事していきたいと思っております。
最後になりましたが、東山会の皆様のご健康とご活躍をお祈りしてv挨拶の結びに代えさせて頂きます。