会員からの便り

新日本製鐵(株)バンコク事務所

杉田 佳隆

昭和62年卒業(第46回)

近況報告

 昭和62年に学部、平成2年に博士課程前期を終了しております。在学中は太田博教授にご指導頂きました。

 早いもので社会に出てから18年目。入社後、名古屋大学に最も近い名古屋製鐵所(東海市)に配属になり、熱間圧延機の設備更新の企画・立上げ実行部隊として約6年間製造現場で勤務(その間俗に言う弊社リクルータ−としても大学関係者には大変お世話になりました)。その後「何を間違ったのか」東南アジア事務所(在シンガポール)勤務となり、技術サービス員として約5年間、更に、再度の製鐵所勤務後、3年前よりバンコク事務所にてタイ・インド・ベトナムを担当しております。

 企業のグローバル化が叫ばれて久しいですが、実際に東南アジアで働いてみて次の点を実感しております。「@日本の常識は世界の(非常識とは言いませんが)常識ではないA技術の有る所に人は集まるB技術とやる気は言葉を凌駕する」。職務上、商習慣の違う海外では(特に金銭的な面で)ぶつかる事は多いのですが、最後は「理屈」で先方を納得させる事が必要です。その際には技術者として「理論的な説明」「確固とした技術と事実に基づく説明」が必要です。言葉巧みな中国人・インド人、宗教・民族色の濃いイスラム圏の人々と渡り合うにはこれらが最大の武器と感じます(もちろんそれさえも通じない場合も多数ありますが)。先人である先輩方の技術の上に成り立っている現在の東南アジアの製造業に関わっていく身の人間として、大学時代に培った「理論的な物事の考え方」を武器に精進したいと思います。

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