新任の先生の挨拶
工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 バイオ・ロボティクス分野分野 生体医用マイクロ工学グループ (機械理工学専攻 併担) 新井 史人 教授 |
平成22年4月1日付で機械理工学専攻・ヒューマンシステム工学グループの教授に着任後,同年10月1日付でマイクロ・ナノシステム工学専攻・生体医用マイクロ工学グループの教授に異動いたしました.名古屋大学には平成元年10月1日に助手として採用後,福田敏男教授の研究室で平成17年9月末までお世話になりました.平成17年10月1日より,東北大学の機械系(バイオロボティクス専攻)に教授として赴任し,仙台の青葉山で4年半過ごしました.その後,名古屋大学に着任して,今日に至ります.
筆者はもともとロボット・制御工学の出身ですが,微細加工,MEMS技術,ナノテクノロジーがロボット工学のブレークスルーに大きく貢献すると信じて,約16年前からこれらの基盤技術を融合した新しいロボティクスを意識して研究を進めてまいりました.また,約13年前からは応用先をバイオメディカル分野にフォーカスし,生命・医・工学が交わる学際的な研究分野の道を歩んでまいりました.現在の所属は生体医用マイクロ工学ですので,これまでの経験を活かして,少しでも本学の研究活動に貢献できるよう,今後もこの方向に邁進していきたいと考えております.
また,世界トップクラスの研究力・技術力を維持するために必要な人材の育成にも貢献したいと考えております.ものを作って新たな価値を創出することは,今後ますます重要になると思います.名古屋大学は産業が集積した恵まれた地に立地し,これまで多くの優秀な人材を輩出してまいりました.一方でわが国では理系離れ,少子化,世界と比較して不十分な国際化といった多くの課題が出てまいりました.先進国における大学間競争は今後ますます激化すると思われます.このような中で,グローバル化する社会に対応した教育改革を進め,本学の存在感をより強化し,世界の関心を喚起していきたく思います.私は出る杭を伸ばす教育,出る杭の芽を育てる教育の強化が必要と考えております.機械教室では平成23年度の学部3年生(機械システムコース)を対象とし,実学科目(機械システム研修)を創設することになりました.これは3年生を研究室に仮配属して,教員との接点をより密にし,学生の自主性を重んじる研究課題型の科目であって,新しい試みといえます.教員の熱意をより身近に感じた学生の奮起を期待しています.
名古屋大学はここ5年ほどの間に建物がとてもきれいなり,アクセスも便利になりました.機会がございましたら,ぜひ,お立ち寄りいただきたくおもいます.東山会の皆様には,今後ともご指導ご鞭撻のほど,よろしくお願いいたします.