平成22年度 東山会会報

会員からの便り

アスモ株式会社
顧問

花井 嶺郎

昭和45年卒業(第29回)

卒業後40年を振り返って

 

昭和45年卒業後40年が過ぎようとしています。ベビーブーマーの先頭を走ってきた我々の仲間も一部の人を除いてほとんど現役から退いています。
40年を振り返ってみますと、いろんな事がありました。経済面だけでも、スタートから暫くして起きたオイルショック、ニクソンショック、第三コーナーでのバブルショックそしてゴール直前のリーマンショックなどがあり、その都度必死に対応してきました。ただ、今回のリーマンショックは一筋縄ではいかない根の深い難題を多く抱えており、根本的な解決ができないまま、進行形の状態で後輩にバトンタッチせざるを得ませんでした。

そんな苦しみをする中で、日本の将来を考えたとき、当たり前といわれるかもしれませんが、やはり“日本には技術と人しかない、そこを究めていくことしか、世界で勝ち残る道はない“ということを再認識したのです。そのためには
1. 最先端技術から超低コスト化技術まで含めた、“まさか!”と言  わせるレベルの断トツ技術開発をすること
2. 最先端技術をまとめあげ、システム全体としての最適解を開発し  世界に発信すること

などが必要になってきます。そして、さらに重要なのがそれをリードしていく人材を育成することです。とくに後者のための総合型システム技術者の育成は喫緊の課題です。
たとえば、車という製品ひとつをとっても、ただ3万点の部品が集積されているわけではなく、各部品、各サブシステムがすり合わされて、ネットワークのように複雑につながり合っているのです。そこでは部分最適の和が全体最適になりませんし、何かトラブルがあったとき、辿っていくととんでもない所に原因があったりするのです。またEHVEVのようにオール電化状態が進む車の中では、発電、送電、変電、蓄電、回生などがひとつの小さな社会のように全体がコントロールされているのです。まさに車におけるスマートグリッドです。

こういうことに対応できるのは日本のように、技術があり経験も豊富な国しかないと考えています。
そういう意味でこれから日本が世界をリードできるためのキーワードになると思います。
ただ、人材育成には時間がかかります。会社に入ってから始めていたのでは間に合いません。ぜひ、大学にもこのような全体最適のシステムをリードできる人のための教育システムを考えていただきたいと思っています。
たとえば、ある大きな研究テーマに対していろんな分野の研究者(時には他学部、他大学あるいは会社の研究者も含めて)が一堂に集まり、自分たちの視点からいろんな提案をする。そして、それを全体最適な形でまとめあげていく中で、将来の総合型のリーダー人材を育成するのです
すぐに成果を出すのは難しいかもしれませんが、大学として評価をし、後押しを続ければ必ずや日本の将来を背負えるいい人材が育ってくると信じています。

東山会の今後ますますの発展をお祈りいたします。



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