平成22年度 東山会会報

会員からの便り



トヨタ自動車株式会社
車両技術部

杉田 洋

昭和55年卒業(第39回)

 

昭和55年に学部を卒業、前期課程を経て57年にトヨタ自動車に入社しました。以降、東山会とは疎遠になっておりましたが、会報便りの依頼を受け初めて東山会HPを知った次第です。

入社後28年間での大学との関係を振り返ってみますと、太田先生のもと回転体の振動を勉強していた関係で振動騒音の評価部署に配属され、すぐにプロペラシャフト・フックスジョイントに起因する振動解析の担当を与えられました。会社の指導教授であった山本先生のもとを上司とともに訪ね、芯ずれのヒントをいただき、何とか問題を解決することができました。それ以降も、山本先生のあと太田先生が退官されるまで年に数回のご指導をいただいておりました。こんな中で現象を解析することの重要性と面白さを知ることになり、上司の配慮も含め、28年間一貫して振動現象を扱う仕事に現在も従事しております。

太田先生退官後はしばらく疎遠になっておりましたが、車両の振動騒音解析・評価に従事してきた関係で、山下先生が担当されていた『自動車工学』の中で騒音・振動乗心地の講義を平成15年より年1回4年間担当させていただきました。学生時代を振り返ると自動車工学の講義を受けたはずではあるもの、あまり記憶がありません。初回講義の前に学生時代の講義資料を引っ張り出してみると、講義をしていたのが上司であったことを知り、記憶に残る講義をと臨みました。最初の年は前担当から初代セルシオの音創りビデオを借り、使ってみたら古すぎる(当時は3代目?のセルシオを販売中)と不評でした。次年度からはベンツやBMWなどのエンジン音も用意して学生に聞いてもらいました。残念ながらトヨタ車よりもBMWのエンジン音に人気がありました。そんなこともあり現在も心地よい音にするための検討も実施しています。そんな講義が学生の記憶に残ったかどうか、はなはだ疑問ではあります。

こうしてみますと地元であることもあり、大学との関係が思っていた以上に深かったことに改めて気づかされます。これからもどのような関係があるのか。

東山会会員の皆様のご健康と益々のご活躍をお祈り申し上げます。


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