平成23年度 東山会会報

会員からの便り


名古屋大学大学院工学研究科
機械理工学専攻 助教

林 直樹

平成 16 年修士終了

 一昨年まで,東山会の広報理事として理事会に参画させていただきました.その際には,広報作成に執筆いただいた際や,また新年同窓会をはじめとした諸行事の際に,多くの先輩方と交流させていただき,よい経験をさせていただきました.

 さて,平成14年に博士課程前期課程に進学し山下先生の研究室に配属されてから,今年で10年になるのかと感慨深く思っております.その間,教員となった際に机と場所は少し変わりましたが,居室は学生の頃から相変わらず燃焼実験室の一角となっており,日々,学生とともに研究を進めております.

 この10年間,私は主に「燃焼工学」の分野で研究を続けており,燃焼の基礎的な事象の解明やモデル化に取り組んでいます.最近では,小型のロボット等の将来の動力源として考えられている非常に小さな燃焼器に関する研究を行っています.燃焼器が小さくなると,その容積に対して壁の面積が大きくなることから,壁面が炎に与える影響が大きくなり,火が弱められてしまったり,また消えてしまったりと色々な問題が引き起こされます.私の研究では,この壁面付近の現象を実験やシミュレーションを通じて明らかにしようとしています.

 現在,従来から言われてきた地球温暖化や化石燃料枯渇の問題に加えて,未曾有の大災害による原発を使用し続けることの是非の問題が加わり,エネルギー分野の研究の重要性がますます大きくなっていることを感じています.私の研究は燃焼の基礎の要素が大きく,いますぐ諸問題を解決とはいかないことがなかなか歯がゆいと感じることもありますが,基礎があってこそ応用分野における進歩が生まれると信じ,少しでも大切な地球の環境がよくなり,同時に我々の生活もより豊かになることに貢献できる研究となるよう,取り組んでいければと考えております.

 とりとめのない文章となってしまいましたが,東山会会員の皆様のご健康と益々のご活躍をお祈り申し上げます.

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