平成23年度 東山会会報

着任挨拶


工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻
バイオ・ロボティクス分野分野
生体医用マイクロ工学グループ
(機械理工学専攻 併担)

山西 陽子 准教授


  

平成23年4月1日付でマイクロ・ナノシステム工学専攻・生体医用マイクロ工学グループの准教授に着任いたしました.現在,微細加工技術のバイオ応用を主軸として,磁気駆動マイクロツール等のアクチュエータを用いてマイクロ・ナノ空間内での細胞操作や加工,流体制御技術といった異分野融合研究に取り組んでおります.出身は東京都西東京市で,父が精密加工の工場を行っていたこともあり,切削機械が身近にある環境で育ちました.学部卒業後にロンドン大学インペリアルカレッジ機械工学科に留学し,Prof. WhitelawやProf. Taylorの研究室でお世話になり,EUのnon-nuclear energyプロジェクトにおいて湿った燃料である褐炭やバイオマス等の燃焼時の揮発成分の影響を調べるために,燃焼中の個々の微粉炭の速度・サイズ・温度の同時計測をレーザー回折法と2光色法を用いて評価する研究を行いました.Ph.D取得後日本に6年ぶりに帰国し,芝浦工業大学機械工学科特任講師に着任し,力学や流体力学関連の教育経験を経た後に,今後の研究テーマとして興味のあったマイクロ・ナノ工学の分野を学ぶべく,平成18年4月より東北大学バイオロボティクス専攻新井研究室で産学官連携研究員として再スタートしました.東北大学では広大なクリーンルームなどの素晴らしい研究環境の中で,大好きなモノづくりの研究に打ち込む貴重な機会を頂きました.平成20年に助教に着任し,その後JSTさきがけ専任研究員を経て,平成22年4月に新井研究室が東北大学から名古屋大学へ移転したのを機に名古屋に参りました.現在はJSTさきがけ課題の「ナノ電気メスによる高精度細胞センシング・加工システム」において,トップダウンからボトムアップの要素が融合し、マイクロからナノオーダーにわたる大きなダイナミックレンジで低侵襲細胞加工技術を確立し、遺伝子工学や発生工学などの分野の発展に貢献することを目標に研究に取り組んでおります. 
 生体医用マイクロ工学グループにおいて,これまでの経験を活かして少しでも本学の研究・教育活動に貢献できるよう,邁進していきたいと考えております.東山会の皆様には,今後ともご指導ご鞭撻のほど,よろしくお願いいたします.

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