平成25年度 東山会会報

新任挨拶


名古屋大学大学院工学研究科
機械理工学専攻 機械情報システム工学分野
生体力学・人間機械工学講座
ヒューマンシステム工学研究グループ

伊藤 大輔 助教


  

平成25年5月1日付けで機械理工学専攻ヒューマンシステム工学研究グループ(水野研究室)の助教に着任いたしました伊藤です。東山会の皆様に着任のご挨拶を申し上げます。

 出身は名古屋大学の機械・航空工学科、機械理工学専攻であり、平成21年より、財団法人(現 一般財団法人)日本自動車研究所にて自動車の衝突安全に関する研究をしておりました。在職中に本学の工学研究科機械理工学専攻田中英一教授の御指導のもと、学位論文を執筆し、平成24年に学位を得ました。

 私は学生時代から前職、そして現在に至るまで、人体における傷害の発生要因の解明とその予防に向けて、力学的な観点に基づく研究を行ってまいりました。学生時代は骨格筋傷害のバイオメカニクス研究に取り組んでおりました。骨格筋組織は筋線維が多数集まって束をなす構造をしており、筋線維の収縮や柔軟性も相まって、大変複雑な力学特性を示します。このような筋組織の傷害発生を解明するため、実験とコンピュータシミュレーションの両面から研究を進めておりました。また、前職では自動車衝突解析用の人体のコンピュータシミュレーションモデルの開発とそれを用いた衝突解析,および衝突実験用ダミーを用いた自動車衝突実験による乗員保護に関する研究に従事しておりました。

 現在は、学生時代よりお世話になっておりました機械理工学専攻水野幸治教授のもと、自動車乗員や歩行者、自転車乗員の保護などに関する研究について、シミュレーションを中心に進めております。この先、自動車の車両構造や保護装置等の改良・開発に貢献できるよう日々努力していきたいと思います。また、バイオメカニクスと衝突安全の知見を他の社会的課題にも適用していき、安心安全な社会の実現を目指していきます。

 末筆ではございますが、東山会のご先輩方には、教育・研究において、ご指導を賜わりたく思います。

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