会員からの便り
トヨタ車体株式会社 長坂 知彦 平成 5 年卒業(第 52 回) |
平成5年に卒業後トヨタ車体鰍ノ入社し早20年、昨年東山会企業理事を引き継ぎ、大学に訪れる度に、地下鉄に代表される周辺の変化に加え、大学内部の変貌ぶりには大変驚かされます。教養時代に利用した南部食堂もすっかり変わり、学部時代に利用した中央食堂はなくなり、工学部の建屋も大半が建て替わり、在学時代の面影も随分少なくなっていることに、思いの外、感傷に浸っている自分に驚きます。
この20年を振り返ってみると、入社当時の1993年は、世間はバブル崩壊後の景気後退期ではありましたが、日本の自動車市場は、ミニバンブームの走りであり、かつ当時の開発車種がエスティマをはじめとするミニバンが主だったこともあり、イプサム、ノア、アルファード・・・と続くミニバン開発に追われ、多忙な日々を過ごすことができました。様々な状況で活躍できる、多目的な機能を持った車両開発が中心でした。
しかし、2008年のリーマンショックや地球温暖化を受け、時代は一変「省エネ、エコ」がキーワードとなり、市場もハイブリッド車や電気自動車、軽自動車といった、いわゆるエコカーへシフト、「低燃費、低コスト、低排出ガス」車が中心になってきました。そんな時代の中、ミニバンは比較的大きな車が多いために大変苦労しています。
この20年で自動車業界も大きく変化し、自動車自体も所有する喜びやあこがれといった象徴的な存在から、移動手段の一つといったツール的な存在となりつつあり、さらには若者の自動車離れもあり、車両開発そのものも一層難しくなってきていますが、生活になくてはならないなモノとして、この先どの様な時代、状況においても、ユーザーの求める車、夢を与えられる車づくりを目指し、これからの仕事に取り組んでいきたいと思います。
最後に、東山会会員の皆様のご活躍とご健康を祈念して、締めくくりたいと思います。