会員からの便り
名古屋大学大学院工学研究科 機械理工学専攻 機械科学分野 先端材料・創製工学講座 個体力学研究グループ 教授 大野 信忠 昭和 48 年卒業(第 32 回) |
副会長就任時の貴重な思い出
筆者の名前をGoogleに入力すると,“大野信忠-あのひと検索スパイシー(Spysee)-”と題した怪しげなタイトルが検索される.クリックすると,顔写真と関連人脈らしきものが現れるが,筆者の名前が付いた顔写真は筆者ではない.奇妙である.実は,2009年5月16日に豊田章一郎氏(当時,トヨタ自動車名誉会長)が第3回東山会関東支部総会で基調講演されたときの写真である.この写真を見ると,4年前(2009年)のことが思い出される.
2009年5月16日の第3回関東支部総会で,筆者は本会副会長として名古屋大学の近況を紹介した.つづいて豊田章一郎氏が40分ほど基調講演された.ご経歴に裏付けされた風格が印象的であった.その様子は,当時関東支部長であった藤田訓弘氏によって第3回関東支部総会報告として紹介されており,本会ホームページで閲覧することができる.これに掲載されている写真の一つが上に述べたものであるが,筆者の写真と隣接しているため,誤って“Spysee”されたようである.
東山会理事会の大きな任務の一つが,隔年で開催されている新年合同同窓会の企画・実行である.豊田章一郎氏による新年合同同窓会でのご講演は,筆者が副会長に就任する前から度々検討されていたようである.しかし,トヨタ自動車社長,経団連会長等の要職に就いておられ,大変ご多忙であったため,実現困難と考えられていた.2009年5月16日の関東支部総会での基調講演の実現は藤田訓弘氏の行動力と個人的人脈によるものであるが,とにかく関東支部に先を越されたことになった.
そこで,2010年の新年合同同窓会で豊田章一郎氏にご講演いただくことを2009年7月17日の理事会で提案し,承認を得た.藤田訓弘氏から依頼していただこうとしたが,結局,東山会本部のことは本部の人間が行うべしということになり,筆者と長谷川豊庶務理事が2009年8月4日にトヨタ本社ビルでお願いすることとなった.手土産に名古屋大学ビールを持参したところ,まったくご存知ではなく,このようなものがあるのかと言って大変喜んでいただいた.30分の面会予定時間を大幅に超えて1時間ほど大学の状況等についてご質問をいただいた後,新年合同同窓会での講演内容の話となった.しかし,不覚にも当方としての希望をまったく準備しておらず,冷や汗をかいた.どんな内容でも結構ですと言って,その場をしのぎ,とにかくご承諾いただいた.後日,学内理事会の場で思いついた「これからの日本」という講演タイトルをメールで提案させていただいた.副会長就任時の貴重な思い出である.