新任挨拶
名古屋大学大学院工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 生体医用マイクロ工学グループ 益田 泰輔 助教 |
平成25年10月1日付でマイクロ・ナノシステム工学専攻・生体医用マイクロ工学グループ(新井研究室)の助教に着任いたしました益田です。現在、微細加工技術ならびにメカトロニクス技術を背景に、細胞やウイルスをはじめとする生物操作技術や細胞組織構築といった研究に取り組んでおります。
出身は熊本県宇城市で、出身大学は大分大学大学院工学研究科です。博士課程では人工関節の摩擦・摩耗特性に関する研究を行い、主に摺動面の金属酸化膜の形成速度にフォーカスし人工関節の低摩耗化を検討してきました。学位取得後は、博士研究員として東北大学大学院歯学研究科に所属し、硬組織形成細胞の分化誘導および骨代謝に関する研究を行ってきました。大学院まで機械工学の研究に従事してきた身としては、初めて扱う細胞や骨に戸惑いましたが、ある種の外部刺激に対する生物の明確な応答や発現に興味を持ちはじめ、そのマインドは現在の研究にも引き継いでおります。平成22年4月から、JST CRST「光ピンセットによる核内ウイルスRNP輸送と染色体操作」の特任助教として名古屋大学に赴任してからは、マイクロ流体チップによるインフルエンザウイルスの非接触操作や、微細加工技術を用いた細胞組織体の構築など、バイオMEMSと称される分野の研究に従事してきました。
このように、多くの共同研究を通して異分野の先生方と議論する機会に恵まれたことから、医工の学際領域研究の重要性は身を持って経験いたしました。しかしながら、機械工学という基盤学問あっての学際であることは肝に銘じるべきと考えております。これまでの経験を生かし、本学の医工融合研究、または、その基盤となる教育活動に貢献できるよう邁進していく所存です。東山会の皆様には、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。