Q. 私たちは,プロジェクトの進行状況やその成果をどのような形で見ることができるのでしょうか.

研究拠点としての役割の一つとして,先導的な情報発信基地であることが求められます. このため,種々のメディアを利用して,アクティビティを示し,成果を積極的に公開するとともに,外部の評価を受けることが必要になります. 現在,2年ごとに国際ワークショップ開催して,ここで成果を集中的に発表して,評価を受けることを考えています. また,関連する分野の会議に,共催協賛して参画することにより,適宜発表の機会を設ける予定です. さらに,本プロジェクトの専用ホームページを開設して,最新情報を盛り込むとともに,担当する教官のホームページにも,成果の詳細を掲載するなど,迅速な成果公開に務めたいと考えています.



Q. では,採択に至るまでの苦労話などありましたら,お聞かせ下さい.

機械工学がカバーする領域は多分野にわたり,また専門領域は細分化され,多く優れた先生方がこれまでに高い研究を挙げてこられました. このなかから,名古屋大学として最強の研究者集団をいかに構成するか,という課題が最初の関門でした. 当時機械系の主任であった田中(啓)先生・新美先生の卓見により,機械系全体の支持が得られ,また目的に合致する集団を構成することができました. 次の関門がプロジェクトとして勝ち残るための研究戦略の構築でした. ここでは,外部評価が高く,産業界との連携研究の豊富なシステム化技術を中心に据えて,研究レベルが高く時流にも合致するナノ機械科学分野とリンクさせるという条件を模索して行き着いたところが,「情報社会を担うマイクロナノメカトロニクス」でした. 申請事務処理に対応するために事務局を設置して,申請資料の作成,ヒアリング発表資料の作成,ヒアリングの準備発表など,膨大な時間と作業を伴う処理をしてきました. 学内選考,申請書類選考,ヒアリング選考などの熾烈な競争を経て,採択されたのはなによりでした. 個人的は,国際会議の主催,ミレニアムプロジェクトの中間審査などと時期が重複して,我が人生のなかでこれまでに経験したことがないほどの最大の繁忙期間でした.



Q. 最後に卒業生の方に一言,お願いします.

皆さんの母校である名古屋大学機械系から採択されたことで,皆さんに対する面目を保つことができました. 大学にも競争原理が導入され,研究の進め方・教育の方法が大きく変わろうとしています. とくに来年度の独立行政法人化の実施は,戦後の最大の変革と言われています. COE拠点形成プログラムは,方法論はともかくとして,大学に意識改革をもたらす絶好の機会を与えたといわれています. これからは,ますます大学としての存在意義が問われることになります. 皆さんには,卒業した単なる母校という認識を一歩進めて,母校の存在意義を一層高めるために,シンパとしての所属意識をもって,積極的にご支援ご協力をいただきたきますようにお願いします.



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